昆虫王の部屋

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これが昆虫王、長畑直和氏だ!

 当談話会会員の長畑直和氏は、あのTVチャンピオン選手権で見事初代昆虫王に輝いた人物である。談話会 の例会でも豊富な話題で注目を集めている長畑氏 を、このホームページで取り上げないわけにはいかない。

 そこで、大学時代からの付合いを通して、昆虫王長畑氏を紹介する。


1.人物像

 長畑氏は、東京農工大学昆虫研究会での後輩にあたるが、最初に会った時の記憶ははっきりしない。彼が大学に入学してきた 時、私は大学院の2年であり多忙 だった為である。付合いが多くなったのはむしろ、OB会(NK会)において彼が会長として君臨するようになってからである。

 当時のNK会は発足したばかりで、構成メンバーの年齢層は私の代を中心とした3年位の幅しかなかった。ところがどういうわけかまだ大学1年だった長畑氏 も立上げに参加し、翌年の初代構成メンバーに名を連ねていたのである。しかも入会後まもなく事務局員として会の運営に携わるようになり、大学院を卒業する や否や会長に就任してしまった。それ以来10年以上たった今でもその座に居る(居させられている)。

 NK会は立上げ当時から会誌を発行しており、特集号「これが長畑直和氏だ!」で、現在と変わらぬ特異なキャラクターがOBに広く知られるようになる。

 長畑氏の性格といえば、先輩に対しても動じない(遠慮の無い)態度が際立っているが、このように早くからOB会の中で活躍できたのには理由がある。実は 言葉、態度とは別に、きめの細かい所、義理堅い面も持ち合わせており、彼に負けず劣らずわがままな先輩たちを取りまとめていけるからなのである。もちろん 後輩にたいしても面倒見が良く、文化祭にも毎年顔を出している。


2.昆虫の得意分野

 自分では「オサムシ屋」と言ってはいるが、メインターゲットは蝶、蛾、そして各種甲虫あたりであろう。しかも彼の採集物 を見てみると、直翅類(バッタ・ キリギリス)、半翅類(セミ・カメムシ)、ハチ類、ハエ・アブ類の他、ガロアムシ、果ては昆虫以外のカニムシまで混じっている。

 長畑氏の採集スタイルは、珍品だけでなく普通種にも広く目を向けていることであり、最近では自分のことを「旬の虫屋」と言っているようだ。 つまり、虫屋の原点である"採集"を非常に広範囲にやっていたわけである。

 この強みは、毎年彼が正月に出かける南米でもいかんなく発揮され、4000mの高地で息を切らせながら採集したハエが当談話会会員のT氏を喜ばせた。私 も多くの直翅類をいただいている。

 この対象範囲の広さと前述の広い交友関係が、結局はつまらないことも含め知識をさらに広げていくことに役立っているようだ。あのTVチャンピオン選手権 で「名前の最も長い昆虫は?」と聞かれ、「○○○もびっくり○○○は2度びっくり○○○」というキリギリス類の名前を出して皆を驚かせたのもこういったこ とによる。


3.テレビの中の長畑氏

 TVチャンピオン選手権で放映された長畑氏の雄姿に強い印象を持たれた方は非常に多かったはずである。本人は、画面狭し と野人のように走り回ったことを 一番にあげているが、本当のインパクトの強さは、学生時代から変わらぬ、ものおじしない態度と独特のしゃべり方にある。

 一見無表情そうに見える、どこか遠くを見つめているような眼差しで、一瞬、間を置いた後に早口で繰り出される断定的な口調は周りのものを圧倒する雰囲気 がある。

 素顔の長畑氏を知らない方に言っておくが、テレビで彼が見せた姿は普段のそれと寸分違わない。テレビを見ながら私は「全然変わらん!」と笑ってしまっ た。他のメンバーがあまりに地味に見えるので、長畑氏が昆虫王になって一番喜んだのはテレビ局かもしれない。


4.長畑氏の今後

 埼玉昆虫談話会のHP掲載ということで、長畑氏を少しほめすぎたが、判断は皆さんにおまかせする。最後に長畑氏の今後に ついて考えてみよう。

 TVチャンピオン選手権で優勝した方たちには、その後の人生ががらりと変わった人が多くいる。彼の2回目の出演で共演した"サカナ君"もそうである。彼 は現在ではタレントとして活躍中であるが、魚という秀でた武器を持っているので今後も活躍の場を広げていくことだろう。

 それでは長畑氏も同じ道に進むのだろうか。ただ、彼がサカナ君と違うのはサラリーマンであることだ。しかも昆虫を武器とする人たちは専門家も含めると魚 関係の何倍もいる。2足のワラジでは、TV業に足をつっこむのは難しいかもしれない。ただし、今後もTVの中の長畑氏を見てみたいし、ラジオや執筆業への 進出にもおもわず期待してしまう。

 若作りで年齢不詳と言われている長畑氏は、実は40の大台も迫ってきているが、これではさらに婚期が遅れてしまいそうだ。

 アニメ鑑賞もまた趣味に持つ長畑直和氏に興味のある方は、ぜひ談話会まで連絡をお願い致します。
和田一郎